愚者の仮面

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夏流れ

2012/08/11 23:04

 真夏のバカみたいな熱気に包まれて、俺たちは氷菓を舐める。

「暑いねぇ」

「ああ、暑いな」

 隣で短いスカートが揺れる。
 すらりと伸びた足は惜しげもなく太陽の下に晒されて。
 正直少しだけ目のやり場に困る。

 けれど、そんなこと意識もしないのだろう。
 俺なんて道端の石ころと同じ程度の存在だから。

 だから、彼女はさらりと言った。

「私、引っ越すの」

 一瞬で世界から音が消えた。

 全て夏の陽炎であればいいのに、彼女はすぐそこに居て。

「まだ誰にも言わないでよね、アンタだけには話しとこうって思ったんだから」

 首筋を汗が流れる。
 最後に彼女は少しだけ寂しそうに、

「これでもう、2人で話すのは最後かもね」

「……そうか」

 涙の代わりに溶けたアイスがぽとりと落ちた。
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