愚者の仮面

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甘くて苦い

2011/12/05 23:06

 昼下がりの暖かな光が差す喫茶店では、仲睦まじいカップルが肩を並べている。

 そんな幸せ満ち溢れる店内の一番奥で、私は独りカップを傾けていた。
 窓ガラスに映る私の顔は、きっと誰よりも醜く歪んでいることだろう。

 あの人が好きな紅茶。
 それを一口含み、私は小さくうつむく。

 嚥下する液体は苦く、微かに甘い。

 角砂糖を一つ。
 じわりと融けて、カップの底に透明な澱みが生まれる。

 まるで心の中の迷いを映したように、深い何処かで何かが蠢く気配を感じる。

 窓の外では彼と可愛い女の子の姿。
 並ぶ姿は酷くお似合いで、私なんか立ち入る隙もない。

 砂糖の甘さに胸が痛む。

 昔は好きだった甘いお砂糖が、なんだか心を深く抉るようでとても不快だった。
 
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