愚者の仮面

スポンサーサイト

--/--/-- --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Top ▲

Seaside Love Story <3>

2011/07/20 00:00

 そのまま廊下に座り込んでいるわけにもいかず、力の入らない足に鞭打って郁未は歩き始めた。
 
 しかし、あてなどあるはずもなく。仕方なく足の向くまま進み始める。自分でも何処に向かっているのか、想像も付かなかった。
 それでも足は勝手に進む。何処かに吸い寄せられるようにただ歩いていく。郁未自身には検討もつかないままに。

 しばらくして着いた場所は。

「ここ……」


 向こうで由依が命を絶った海。

 
 そのことを思い出して、少し心が揺れた。視界が霞むが、涙は出ない。由依が死んでから、郁未は一度も泣いていない。まるで心が凍りついてしまったかのようだ。いや、麻痺しているのかもしれない。
 心の何処かではまだ彼女がいなくなったことを受け入れられていないのだ。

 由依の命を奪ってもなお、海は美しかった。
 穏やかに、けれどしたたかに何も変わらずそこに在り続ける。太古の昔から変わらない青さを見せ付ける。
 けれどそれは綺羅のきらめきにも似ている、と思う。変われないからこそ、すぐに滅んでしまうもの。大きすぎる存在は唐突に消えてしまうことが多い。


 ――そう、由依のように


 普通とは少し違っていて、簡単には変われなかった少女。普通になりたくて、なれなかった少女。

 幼稚舎からエスカレーター制の学園には珍しい高等部編入だったから、由依は嫌でも目を引いた。
 隣のクラスだった郁未でさえ、彼女の噂はたびたび耳にしていた。

 最初は普通の少女に見えた。しかし、言動を知るたびに郁未はその独特の感性に興味を持った。
 
 だから、最初はこう声をかけたのだ。

「君、少し変わってるね」

 すると由依は少し傷ついたような顔をして言った。

「やっぱり私は普通の子には見えないのかしら」

 その問いに、郁未は素直に思ったことを返した。

「まぁ、普通には見えないけど。けどさ、みんな違う人間なんだから、少しくらい変わってたっていいんじゃないのかな」
 
 みんな同じだったらむしろ気持ちが悪い。郁未はそう思う。それに、何が「普通」なのか、郁未にはよく分からない。
 だから、なにも特別なことを言ったつもりはなかった。けれど由依は「貴方こそ変わってるわ」と笑った。
 
 話を聞けば、自分は相当普通な子のつもりだったらしい。
 周りにいるような女の子たちと同じで、十分に擬態出来ているつもりだったと言うのだ。

 ただ、言動はどんなに隠そうとして自分が出てしまうものだし、仕方がないだろうとも思う。むしろすべて隠しきって、素直に生きれない方がずっと不幸だ。

 それでも彼女は普通になりたい、と言った。もう人から避けられる生き方は嫌だと。
 由依は普通に寂しがりの女の子で、ただ普通に友達が欲しかっただけだったのだろう。普通に学校に通いたかったのだろう。

 世の中なかなかうまくいかない、と由依はよく言っていた。

「だからって死ぬことはないだろ……」
 
 思わず呟きが漏れた。

 どうしても言えなかった、この言葉。
 
 口にして由依の死が決定的になるのが怖かった。しかし海を見ていたら、自分の知っている由依はもうこの世にいない、ということが段々と身に沁みてきた。

 さっきまで一緒にいた由依は、郁未の知っている由依ではないのだ。そのことに気が付いた。


 ――だけど、郁未の好きな由依と全てが違っているわけではない。


 ああ、そうだ。
 あの子はきっと……

 きっとあの子なら。


「隠れていないで出ておいでよ」


 郁未は海を見つめたままそう囁いた。

「さっきからこっちを見てたこと、知ってるよ」

 これで読みが違っていたら、郁未は完全に独り言を言っている寂しい奴になってしまう。だが、幸いそんなことにはならなそうだ。

 すっ、と郁未の背後に影が寄り添う。

「……気づいてたの?」

 柔らかく、それでも何処か怯えるような少女の声。
 郁未が愛おしいと、失いたくないと思った少女の声だ。

「まあね」

 もちろん嘘だ。ものは試しに言ってみただけで、当たらなかったらそれはそれで仕方ない、と少し思っていた。
 彼女がこっそり後を付けているんじゃないか、なんて。そんなうぬぼれが当たっていて郁未自身驚いているところだ。
 それでも由依は感心したように言う。

「すごいわね貴方。びっくりしたわ」

「別にそうでもないけどさ」

 少し格好つけて呟いてみた。今なら自信を持って、行動が出来る。

 それに、今しか出来ないから。なけなしの勇気を奮ってみる。
 多分今じゃなきゃ出来ない。
 もう、願うことすら叶わないから。
 
 後ろ手に見えないけれど彼女の手を探る。
 少し低い体温を感じて、郁未はその温度を軽く握り込んだ。 

 振り払われたって構わない。
 それでも、一度だけでも彼女と手を繋いでみたかった。

 あんなにいつも帰り道を共にしていたのに、手を繋いだことなんて一度もなかった。
 
 振り払われることを覚悟していた郁未の手を、おずおずと弱々しい力が握り返してくる。

 思わず嬉しくて笑みがこぼれた。
 同時に悲しくもなる。もっと早くにこうしておけばよかった。そうしたらなにかが変わっていたかもしれないのに……

「なんで分かったの、私が後をつけていたこと」

 彼女は不思議そうに、郁未の背に頭を預けて呟いた。
 その体温を服越しに感じて、少年は微笑む。

 バカだな、そんなこと分かりきったことなのに。

「俺の知ってる由依は冷たいことは言っても、すごい心配性で相手が傷ついていないか確かめに来るんだ」

 とても人を気にする子だった。自分がどう見られているのかいつも気にしていて、他人におびえているような子だった。
 それはどんなに仲良くなっても、郁未の前から消えない仕草だったような気がする。

 後ろにいる由依の表情は分からないが、微かに笑ったようだった。

「ほんとによく私の事を知っているのね」

「そりゃあもう、嫌と言うほど」

 好きだったからこそ、郁未は由依と共にいたのだ。それくらいは知っている。

 結局、想いは伝えられなかったが。

「俺は由依のこと、結構見てた。でも、由依は違ったんだと思う。俺のことなんかどうでもよかったのかもしれない」
 
 だから郁未にも何も告げず、独り命を絶ったのだろう。誰にも、何の相談もせずに。

「……そんなことないわよ。そう思うわ」

 いつだって真摯で、決して飾らない由依の言葉に笑みがこぼれた。

「ちょっと、なに笑ってるのよ」

「いいや、別に」
 
 そうは言ったものの笑いが止まらない。自分でもよくわからないがおかしくてしょうがなかった。くくく、とのどから笑いが溢れてくる。
 
 あの由依に気を遣わせている。そう思ったら笑えて仕方がない。
 
 しかし由依は憮然として、

「本当よ。貴方の存在は私の中でも大きかったはずよ。そう思う」

 と、真摯に言った。
 その物言いに、郁未も笑いを引っ込める。

 そして、切なさそうな瞳で言った。

「……そうかな。そうだといいな」

 そうだといい。

 本当にそう思う。自分にとって由依が光だったように、彼女にとっても郁未が光だったらいい。
 そうしたら、自分の存在も意味があったのだと思える。
 
 目を閉じて彼女の姿を思い浮かべていると。由依が控えめに問いかけてきた。

「……ねぇ、貴方が知っている私は死んでしまったの?」

 郁未が驚いて由依に目を向けると、彼女は眉を下げて笑った。

「さっき、貴方が泣きそうな顔をして言っていたのを聞いてしまったの。死ぬことはないだろ、って」

「……ごめん」

 知られてしまった。自分が迂闊だったからだ。そう思って郁未が謝ると、彼女は明るく笑った。

「貴方が謝ることではないでしょう? そう……私は死んだのね」

 何処か他人事のように己の死を語る。

「なにがあったのかしらね。そっちの私に」

「……分からない」
 
 この由依にも分からないのなら誰にも分からないだろう。郁未が目を細めると、彼女は握る手に力を込めてきた。
 
 その意味を目で問う。
 
 すると、彼女はいつものように艶やかに笑った。郁未が思わず由依が生き返ったのかと錯覚するほどに。
 綺麗に、華麗に、艶やかに。彼女が笑う。

「『私』に優しくしてくれてありがとう」

 そして郁未から目を離し、海を眩しそうに見つめた。

挿絵3


「綺麗ね」

「……そうだね」

 由依と並んで海を見たことはなかった。

 しばらく景色にみとれる。やがて、ゆっくりと由依が口を開いた。

「私ね、誰も私の話なんて聞いてくれないものと思っていたの。だから、外に出て人に会って話をするのが怖かった。けど、ずっと損をしていたのね」

 由依は海風にすっと目を細めた。

「こんなに綺麗なものがあったなんて、知らなかったわ」
 
 そう言って本当に嬉しそうに笑う。
 子供のような無邪気な笑顔。郁未が知っている由依は見せなかった表情だ。

 この笑みを見て、郁未は自分がいた意味を得たような気がした。
 

 ――きっと、自分がいなくてもこの由依は大丈夫だろう。
 

 そんな気がした。

「じゃあ、これからは自分で綺麗なものを探しに行きなよ。そしたら、俺の他にも君の話を聞いてくれる人と会えるかもしれないし」
 
 この由依が変われれば、郁未の知っている結末とは違う運命が彼女を待っているだろう。
 
 たとえそれがどんなものであっても、価値はあるはずだ。その未来を見届けることは、郁未には出来ないけれど。

「なんだか別れの言葉みたいね……もう会えないのかしら」

「きっと会えるさ」
 
 嘘だ。もう会えないと分かっているくせに。
 でも、そうでも言わないと泣いてしまう気がした。

「じゃあ、そう信じて待ってる」
 
 由依はそう言って手を離した。ひどく優しい笑みを浮かべて。郁未の拙い嘘なんて、もう見破ったような顔をして。

「……絶対に会いにくるよ」
 
 叶わないと分かっていても、そう誓う。きっと会いにくる。
 
 郁未は海を背にして笑った。
 そして、海へとその身を躍らせる。

 彼の知る彼女と同じ方法で。
 しかし、彼女が選んだ死としてではなく、生きるため。


 ――彼の現実に還るために。


 
    ※



 郁未がはっと目を覚ますと、外は暗いままだった。

 由依に逢った。
 話をした。
 手を繋いだ。

 滲む視界に、まだ少しだけ温もりを感じる手のひら。

 けれど、先ほどまでの出来事が郁未の夢だったのか、夢の国での出来事だったのかはよく分からない。夢のように曖昧で、けれど心に深く染みいるように。その記憶が確かにある。
 心の中に、確固とした喜びと悲しみがある。

 もしかしたらすべて、彼が望んだ都合のよい夢だったのだろうか。

 けれど、膝の上にあったはずの本が無くなっていた。



 
「夢の国には、人生に一度きりしか行けない。ちゃんと考えて行く時を決めるんだよ。ほんとは行かないのが一番なんだけどね」

「それって、もしかしたら帰れなくなっちゃうかもしれないから?」
 
 幼い声がそう男に問いかける。男はゆっくりと頷くと、少年の髪をかきまぜた。

「そう。夢の国に行った人は居心地が良くて帰りたくなくなる。でもね、本当の幸せはこの世界でしか得られないんだよ。きっと、まだ分からないだろうけどね」



     ※



 入学式以来、学校へ行くのは初めてだった。

 由依は自分のクラスにどんな人々がいるのかさっぱり覚えていない。おそらくクラスメイトたちも由依のことなど記憶の片隅にも留めていないに違いないだろう。
 
 始業時間より一時間も早い登校だと、当然のように教室には生徒の姿はない。
 馴染みのない席に着いて、ぼんやりと外を見つめる。
 
 しばらくして教室のドアが開いた。
 
「あれ? 君は……」


 その声の主を、由依は知っている。

 
「また会えたじゃない」
 
 その言葉に少年は首を傾げたが、由依が笑うとつられたように優しい笑みを浮かべた。由依も知っている、あの優しい笑みを。
  


 帰り道。

 誰でもない平々凡々な少年は由依を誘うと、楽しそうに学校の話をした。

「それでさ……」

 楽しげに話す少年に、由依は小さく意地悪い笑みを浮かべた。
 そして、彼の言葉の間に挟むように可憐な唇を開く。

「ねぇ、夢の国の話って知ってるかしら?」

 そんな唐突な彼女の言葉に、彼はきょとん、と幼い表情を浮かべて。

「聞きたいな、『君』の話を」

 と、由依の知る優しい笑みを見せた。 


 ――さぁ、もう1人の貴方の物語を語りましょう?


 由依はそう言って艶やかに笑う。
 彼が残してくれた物語。それを抱えて彼女は笑う。



   ※



 ――あれから何年か後に。


 郁未は文章を打つ手を止めて、窓の外に見える海を眺めた。
 
 昔から変わらぬ穏やかさに心が洗われる心地がする。 
 そのまま薄ぼんやりとしていると、背後から叱責が飛んできた。

「ちょっと先生! 締め切りが近いんだから、ちゃんと仕事してくださいよ。弟さんはきちんと終わらせてくれたのに」

「ごめん、ごめん」

 笑いながら謝る彼に、叱責を飛ばした女性は呆れたように言う。

「売れっ子小説家の自覚持ってくださいよ。先生の本をいろんな人が待ってるんだから」
 
 そんな彼女に郁未は苦笑いだ。いつかの少女に何処となく似ていて、思わず笑ってしまいそうになる。
 
 そして青い水面から目を離し、冗談交じりに彼女へ話しかけた。
 
「俺と付き合ってくれない?」

「馬鹿な事言ってないで仕事する!」
 
 彼女は少し赤くなってそう言い返してきた。ちょっと可愛いかもしれない。

「本気なのに」

「はいはい」

 なおも言い募る郁未の言葉にも、彼女は冷淡に返す。その頬には朱が差していたが。

 けれど、彼女は郁未を無視するようにまだ途中の原稿に目を通し始めた。つれない。
 わざわざ顔が赤いことを指摘するもの何処か大人げなく、郁未は諦めたようにふぅ、とため息をついた。仕方なく再びパソコンに向かって文章を打ち始める。
 
 すると、原稿に目を通す片手間に彼女が話しかけてきた。
 
「そういえば、先生の話に出てくる女の子って少し変わった子が多いですよね。誰かモデルがいたりするんですか?」

「うん。すごく捻くれてて、でも優しい子なんだ」

「へぇ、先生みたいな人にもカノジョなんていたんですね」

 若干皮肉交じりにそう言ってくる。郁未は曖昧に言葉を濁して、執筆作業を続けた。

 しばらくして、冷めた紅茶を口にしながら郁未は誰に言うともなく呟いた。

「俺が小説を書き始めた理由だよ。あの子の考えをもっといろんな人に伝えてみたかったんだ」

「えっ? 何か言いました?」

「なんでもないよ」
 
 カップを置くと、郁未はデスクに飾ってある写真に微笑みかけた。

「俺は由依が考えていたことを、きちんと伝えられてるかな?」
 

 写真の中の二人は幸せそうに笑っていた。
                         
                                                <終>
スポンサーサイト
Top ▲

comment

comment

どうも、吐かせ博士です。お久しぶりです。
お約束通り、コメントしに上がりました。もともと約束なんかなくてもコメントしに来るつもりだったんですけどね^^

夢の国というからもっとファンタスティックなものだと思ってました。分類としてはパラレルワールドってとこですかね? 最初は死んだ人間の住む世界なのかとも思ったのですが、それだと由依の記憶がないのが気になりますし、あっちの世界で彼が現れるのもおかしいなということで。そういう結論に至りました。


俺は文章の方じゃないので、普通がどうのこうの書いてると乱文になってしまうのですが。

普通は存在しないものだと思います。それ自体、物事を考えることのできる人間が作り上げた怪物(?)のようなもの。神とか悪魔と似たり寄ったりに思います。信じる者を苦しませるのでしょうかね、そこら辺は深く考えたことがないのですが。普通でいたいと思えば思うほど、無理が生じる。
そもそもが曖昧すぎて、「普通」を説明する前に心が折れちゃうんじゃないかと思います。だから人には「普通なんて人それぞれ」という言葉があるんじゃないかなと。一番楽で頭を悩ませなくていい。
実際のところいいますと、一般的普通(一般常識)すら分かってるとは言えない吐かせ博士なのですが。やってはいけないことなどは、分かってるつもりです。そして、自分がその一般的な普通に当てはまる人間だとも思っていません。そりゃあ普通なところもあるでしょう。普通に絵が好きとかw
でもよく聞く「普通じゃない」って言葉はどこから出るんでしょうね・・・・・。


それから、郁未から「郁美」になってましたよ。<3>の最初の方。

人は一人では生きていけない。そんな言葉を聞いたことがありますけど、これは本当だと思います。電気屋さんとか水道屋さんとかそういうのも当然ありますが。支えてくれる人という意味の方でも、人との関わりは大事なものだと思います。人数に関係なく、一人でもその人がいればっていうのは重要だと思います。
実際、うちに孤独人間(うちの兄)いましたしね(過去形)。誰かが面倒を見合うことは大事なことだと思いますね。
そういう意味でも、この話は結構考えるところがあったな、と思いました。・・・というわけで、いよいよ由依の自殺した理由が分からないというww はい、お手上げです。

そして、最後まで弟さんが出なかったか(・ω・` ←出てほしかったのか


あっ、あとですね。イラスト全部素晴らしかった! 凄いですねー。
郁未くんイケメンだ! 由依ちゃん美人だ!
由依ちゃんは郁未くんを振り回すお転婆な感じかと思っていたが、普通に可愛かったw 予想外だった!(いい意味で

キャラもいいけど、風景が羨ましいですね。はかせはキャラと一緒に風景描けない。
そんなスキルがほしいもんです(-ω-`


とりあえず、この辺で。ではまた、小説でもうpしたら報告さえしてくれればコメントしに行きます。迷惑でなければ!

投稿日
2011/07/20
投稿者
はかせ
URL
URL
コメントの編集
Edit
Re: タイトルなし

>はかせさん

コメントありがとうございます! まさか本当にしていただけるとは‥‥‥有難いです。
誤字の指摘もありがとうございます‥‥‥自分だとなかなか気付けなくて;;

お察しの通り、あの世界はパラレルワールドを想定して書いています。
最初からその想定なのですが、幼稚園児にパラレルワールドなんて伝わらないよな、と思い便宜上の「夢の国」です。
話と現実はどうあがいても同じでは無い、という無常さを出したかったのもあるのですが。

わたくしもはかせさんと同意見で「普通」なんてない、と思っています。
でも、確かに大多数が思っている「普通」は存在していて、そのささやかな食い違いが由依を苦しめてしまったのだろうと思っています。
ちなみに由依は「普通じゃない」と「普通」を気取る子たちに追い詰められて重症なまでの普通論者で、郁未は「普通とかよくわかんねぇ」という、多分楽に生きられる、人の違いを許容できるタイプです。

あと、話とは全然関係ないんですけど(え、私が個人的に思う「普通」って大多数の人間があてはまるもの、という気がしています。正しさも間違いも超越して、大多数が「そう」だと思うもの。
何処までも概念的ですね(^^;

あと自殺の理由ですが、ちゃんと考えてあるんですけど、この話に入れると重たすぎて書ききれる気がしなかったので諦めました(え
あくまでも恋愛話が書きたかったので、あえて外したのもあるのですが‥‥‥

あとメインに捉えたのは「支えてくれる人」というものもあります。
やっぱり人には人が必要で、そういう人は一人だけでもいてくれれば十分な気がしています。
由依にとってそれは郁未で、でも、郁未からしたらどうだったんでしょうね。彼にとって由依は大切な人でしたけど、きっと彼女が居なくても彼は生きていける子ですから‥‥‥

あ、郁未の弟ですが、一本短編があるので、それをアップするかどうか迷い中です。意外と弟の存在を気にする方がいらっしゃいまして。一文にしか存在が示唆されてないのに!


イラスト、お褒め頂けて光栄です!(お前が描いたんじゃないだろ
同い年なのに私なんかよりずっと努力している子なので、絵が綺麗です。
郁未に関しては書き直しまで要望したアホなので、とてもかっこいい子になりました。満足です(私が

しかしまぁ、本当に背景まで書けるのすごいですよね。あの奥行き感とか絶対出せない‥‥‥


コメントお気軽にお願いします! 迷惑なんてめっそうもないです。
ではでは、拙い話にお付き合い下さり本当にありがとうございました。次の作品でもお会い出来たら幸いです。

投稿日
2011/07/20
投稿者
有里馨
URL
URL
コメントの編集
Edit

こんにちは。

やっぱり弟の存在が気になる木々見カキマです。


誰だって何かにつけて『夢』ないしそれに近い幻想のようなものを抱いているものですよね。
例えば恋する相手を極度に理想化してしまったり、なんてのはよくありますよね。

以前、外国の方とお喋りする機会があったんですけど、その時に「日本が『夢の国』のように思っている人がいる」と言ってたんです(その人自身が思っていたわけではないようですけど)。

だからどうした、って感じですけど、言いたい事は『夢』って言うのはどこまでも現実との摩擦を起こすものなのかなぁ、ってことです。はい、それだけです。


無為な独り言をすいません。

Seaside Love Storyを最後まで拝読させていただきました。
とっても面白かったです。

由依の複雑な心境や不器用な感じは、そばにいればどう見えるんでしょうね。
普通になりたいというのも、由依なりの『普通』を理想化し過ぎていたのかなぁとか思いますが、実際にそばにいた時に彼女をどう見ることができるのか……。

郁未の由依への想いもストレート過ぎるくらいですね。青春だなぁと、甘酸っぱい思いもしながら読んでいました。

夢の世界は、パラレルワールドだったんですね。
こっちの世界から見たらあちらが夢の国で、あちらの世界から見ればこちらが夢の国なんですね。
いや~、思わず「おお、なるほど」と一人納得していました。秀逸な発想ですね。
いつか『あちらの世界』から郁未や由依がやってくるんだろうか、はたまた弟が――いや、失礼。

とにもかくにも、そんな思いを巡らせた読後でした。


ではでは、無意味なコメントを長々と失礼いたしました

投稿日
2011/07/24
投稿者
木々見カキマ
URL
URL
コメントの編集
Edit
Re: タイトルなし

>木々見カキマさま

拙作に最後まで目を通して頂き、誠にありがとうございます。

確かに「夢」というのは概念的であり、人によって感じ方が全然違いますよね。
「夢」というよりは「理想」といいますか‥‥‥

「理想」があるから人は前に進めますが、一方で「理想」に雁字搦めになって身動きできなくなる人もいるのもまた事実。
「理想」は持っているのはいいのかもしれませんが、押し付けたり押し付けられたり思い込んでしまうのはよくないのでしょう。


「普通」に憧れた由依と、「現実」を見限った'由依'の二人が出てきますが、根本的には同じで、でも郁未が好きだった由依とは明らかに何処かが違う、というのがあります。
同じ人間でも少し違ってしまうから、そこに普通に憧れた少女の姿はなく、郁未はあれで本当に良かったのやら‥‥‥
でも、あの複雑な少女の姿は変わることはなく、やっぱり「普通」の生活に憧れている。

言ってる自分が訳分かんなくなってきたんですが、多分由依が望んでた「普通」というのは「独りじゃない生活」なのだと思います。
ただ寂しかっただけだったわけで、郁未が居て少しは軽減されていたのだと思います。

なんといっても彼は純粋に彼女を好いていたわけですからね(笑) あのストレートすぎる思いは書いていて流石に違和感があるかな、と思いました‥‥‥

パラレルワールドにも気付いて頂けたようで良かったです。
しかし、郁未もうっかり由依が死んでしまったパラレルワールドに辿りついたらどうするつもりだったのでしょう? 
まぁ、それはそれで別世界から由依が来たりで大変なことになりそうですが(^^;


弟君の話に関しては現在考え中です。
意外といろんな方から突っ込まれたので、彼の話もアップしてみようかと悩んでいるので、よろしければその際にはお付き合いいただけると幸いです。

投稿日
2011/07/25
投稿者
有里馨
URL
URL
コメントの編集
Edit

comment form

Passのない投稿は編集できません

Trackback

Trackback URL :
http://thefoolpersona.blog136.fc2.com/tb.php/118-fa739ac7

Copyright (c) 愚者の仮面 All Rights Reserved.

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。