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差し出された手

2011/06/17 23:36

 宴会の席。
 普通なら楽しいはずのその片隅で、冷めた瞳をした彼が退屈そうに口を開いた。

「暇だ。ここにいる意義を感じられん。抜け出てもいいかねぇ?」

 友人たちが私たちそっちのけで盛り上がっているのを後目に、彼はつまらなそうにそう呟いた。対する私もあの輪の中に入れる気がしなくて、彼らの姿を見るともなく眺めている。
 そんな私に彼は何気なく問いかけてきた。

「お前はどうする?」

「どうしよう……抜けちゃったら感じ悪いよね」

「気付かねぇ気もするけどな」

 彼はふん、と鼻を鳴らして私の方を見つめて小狡く笑った。なんて狡い笑み。

「俺と一緒に行かねぇ?」

 差し出された手を取ることに、そう迷うことはなかった。
 
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こんにちは。
毎度の如く、木々見カキマです。

面倒臭い集まりとか、意味の分からない飲み会とか、往々にして「私って何でここにいるんだろう」と思うことってありますよね~。

私は大人数の宴会があまり好きではないので、そういう時は隙を見ては抜け出してました(おい
私は宴会・飲み会は少数精鋭が好きですね。

ところで、この物語の『彼』は、宴会云々よりも最初から『私』を狙っていたんでしょうかね。
「狡い笑み」という表現が、『彼』の計算高さを見ているようで「おやおや~?」と思ったり。

いや、待てよ「狡い笑み」はこの場からの離脱と『友人たち』を出し抜いてやろう見たいな感じなのか……?

一方で、すぐに手を取る『私』の心情にも激しく同意しちゃいますね。
この時の『彼』は『私』にとって、どんなふうに映ったのでしょう。このあとどんな話をしたのでしょうか。

なんて、今いろいろ想像を巡らしている私です。

面白かったです。
過去の微妙な宴会の風景を思い出し、ため息が出そうになりましたが(笑


ではでは、いつもながら失礼しました。

投稿日
2011/06/19
投稿者
木々見カキマ
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Re: タイトルなし

>木々見カキマさん

むしろいつも何にも誘われないくせに、小さい集まりは意外と呼ばれる有里馨です(笑)
大きい集まりは断るタイプです。やっぱり人数が多いとしがらみとかが面倒くさいので‥‥‥

その無力さと面倒くささをねちねち書こうかと思ったのですが、ここはやっぱり青春的な感じでいこうかなと思い、こんな感じに仕上げました。

ちなみに自分の解釈だと、彼は自分と同類のにおいを「私」に感じ、これを機に声をかけて友人たちを出し抜こうとしている感じです。
が、どうとも取れるように「狡い笑み」にしたので、特にこれといった正解もないですね(笑)

最初から「私」を狙っていた、とも取れるんですねー。
やっぱり読む人の数だけ解釈が違ってくるので面白いですね。話が短いというのもあるのでしょうけれど。
時数に制限がなければ、誰がどう思っているかなど細かく書けますし。

300字の面白さはこの解釈の広さにもあるのかもしれませんね。

投稿日
2011/06/20
投稿者
有里馨
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