愚者の仮面

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水面の向こう側には

2011/05/18 23:43

 湖の向こうには妖の町がある。
 そんな言い伝えが村にはあった。

 赤い金魚しかいない湖。河童も川姫もいない、ただの湖。
 
 水面を覗いても決して見られない世界。
 幻想はただひっそりと其処に在り続けていた。


 ある日、湖を埋め立てる話が持ち上がる。

「赤き神に祟られるぞ」

 村の老人たちは言った。しかし、誰もが老人の戯言と笑う。


 そして湖は容赦なく埋められた。

 上には建物が建ち、人が住んだ。祟りなど起こらない。
 ただ穏やかに時は過ぎた。

 しかし。

 子供だけにしか広まらない噂があった。

「あそこの水溜まり、赤い金魚がいるよ」

 大人たちに水溜まりは見えていない。そもそも水溜まりに金魚はいない。

 けれど確かに広がるその噂。

 幻世の世界。

 今も何処かで彼らの水音。
 
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毎度毎度、お邪魔します。木々見カキマです。

何気ない都市伝説とか、微妙な伝承とか、その場所に根付いたものってかなり胡散臭い感じのもありますけど、中にはさもありなんみたいなものもありますよね。
火のないところに煙は立たぬと言いますし、道聴塗説であってもまたひとつの真実なのかもれませんね。
何が真実で何が虚構なのかは、本当のところ一人一人の五感(あるいは六感)しかないのかなぁ、と思ったり。

1人が本当の、まさに真実を語っても、99人が「違う」と言えば、その人はただ嘘を騙っただけになってしまいますものね。
その1人がどんな気持ちになったのだろうと考えてしまいます。


それにしても、なんというんでしょうか、微妙に胸に残るこの感じ。
微かにいそうで確かにいなさそうで、「信じる人には見える」的な感じ……ちょっと違うか。
いつか人が住まなくなったその場所に、赤い生物の湖が現れていそうですね。

面白かったです。そして毎回ながら、粗雑なコメントで失礼いたしました。

では

投稿日
2011/05/20
投稿者
木々見カキマ
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Re: タイトルなし

>木々見カキマさん
いつもコメントありがとうございます!

都市伝説とか、妖怪とか昔話とか大好きなのでそういう感じの話に仕上げてみました。
あの胡散臭さと怪しさ、けれどどこか信じてしまいたくなるあの不思議な感じが大好きで、信じるか信じないかで世界が変わる不思議さがとても面白いとも思っています。

けれど、大多数はそういうものは感じ取れませんし、たとえ感じ取れた人が「いる」と言い張っても分からないものは怖いので認めがたいですよね。
何が本当かなんて結局は個人のエゴで決まるわけで、世界の多面性に驚かされることが多々あります。
分からないものは怖いですが、だからこそ世界は面白いですね。
妖怪も妖精も魔法も、胡散臭いけれどやはり何処か惹かれるものがあるから創られるわけですしね。


結局文字数に縛られ、よく分からない話になってしまったのが心残りです‥‥‥‥
やっぱり300字は難しいですね><

投稿日
2011/05/20
投稿者
有里馨
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